日本Ruby会議2008(RubyKaigi2008) 趣意書

日本Ruby会議2008(RubyKaigi2008) 趣意書

Rubyをとりまく環境は、大きな変革を迎えようとしています。

まず、WebアプリケーションフレームワークRuby on Railsの爆発的な 普及により、新たなRubyユーザ層が生まれつつあります。 従来から熱狂的ともいえるユーザの熱い支持により支えられてきたRubyを とりまく活動は、ビジネスサイドからの声も含め、 これまでとは異なった要望にも応えていくことが期待されています。

また、Ruby自身に関しても、Ruby 1.9のリリースを2007年末に控えています。 これは2003年8月にRuby 1.8.0がリリースされて以来の、 大きなバージョンアップになります。 しかしながら、リリース後しばらくは互換性や仕様の調整、移行作業等、 さまざまな問題や混乱が発生することも予想されます。

さらに、まつもとゆきひろさんによるオリジナルのRuby処理系以外にも、 JRuby、IronRuby等、Rubyと互換性のある独自の実装の試みも本格化しつつ あります。これらの試みは、Rubyのさらなる応用面を加速するものである 一方で、そもそもRubyとは何であるのか、何であるべきなのか、それは どのようにコントロールしていくべきなのか、 といった根本的な問いを提起しつつあります。

このような背景のもと、日本Ruby会議2008では、その全体的なテーマとして 「多様性」というキーワードを考えています。

これまでのRuby会議は、Rubyとそのコミュニティの均質性に、 言わば「一つのRuby、一つのRubyコミュニティ」ともいえる思想に 支えられていました。 2日間に渡り1会場・1トラックで行われていたのも、そのような思想と 無縁ではありません。 「Rubyらしい」「Rubyらしさ」といった考え方は、 Rubyらしくない側面を排斥することによってのみ成立します。

しかしながら、今後のRubyを考えていく上では、このような均質性を乗り越え、 様々なRuby、様々なRubyコミュニティを包含、抱擁していく必要があります。 多岐にわたる局面や用途に対し、 異なるスタンスでRubyと向かおうとしている人々に対し、 各自が満足できる形を希求しなければなりません。

幸い、Rubyはその言語のポリシーにおいて、「多様性は善である」 という考え方が根本にあります。 これは言語設計上のポリシーですが、 同時にRubyをとりまく環境にも適用させていくことも、 不可能ではないでしょう。

いくつのものRuby、いくつものRuby処理系、いくつものRubyコミュニティに 分かれながら、それでもどこかでつながりあい、影響しあっていく。 そのような流れにあるRubyの姿を確認し、 その流れを歓迎しつつ、 さらなる発展を目指すための足がかりを得る。 日本Ruby会議2008は、そのような場となることを目指します。

日本Ruby会議2008を通して、多くの方々と、Rubyの現在、 そして未来を分かち合っていければと考えています。 みなさまのご参加を心からお待ちしております。

(日本Ruby会議2008 実行委員長 高橋 征義)

Last modified:2008/04/23 23:05:15
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